次世代医療として期待される再生医療。「最適な治療法を提案したい」と導入を考えるクリニック・医療機関さまも非常に多いです。
しかし、再生医療の導入には平成26年11月に施行された「再生医療等の安全性の確保等に関する法律(平成25年法律第85号」に基づいた申請や運用、認可が必要となりました。
そのため膨大な申請書類の作成や審査の準備などの負担が大きく挫折してしまうことも少なくありません。
そこで当社では、再生医療を提供したいと考えておられる病院やクリニック様に対し、導入に向けたアドバイスや再生医療等提供計画書の作成や申請手続きの代行サポートを行なっております。
再生医療の導入で必要な手続き
再生医療の導入に向けた必要な手続きは分類によって違いますが、大まかに分けると以下の3つに分けられます。
①提供計画の作成
②(特定)認定再生医療等委員会による審査
③厚生労働省へ再生医療等提供計画の届出
それぞれ詳しく解説いたします。
リスクに応じた分類
まず、手続きの説明の前に再生医療の分類について理解しましょう。再生医療はリスクに応じて3つに分類されます。
第一種 | ヒトに未実施など高リスク(ES細胞・iPS細胞など) |
第二種 | 現在実施中など中リスク(体性幹細胞など) |
第三種 | リスクの低いもの(免疫療法・PRP・体細胞を加工など) |
第一種は臨床研究がメインのため、病院やクリニックに導入する再生医療は第二種または第三種がほとんどです。
ここからは第二種、第三種に関する再生医療導入までの手続きについて説明します。
①再生医療等提供計画書の作成
(特定)認定再生医療等委員会の審査を受けるために必要な提供計画書と添付資料の作成を行います。再生医療等提供計画書は厚生労働省の各種申請書作成支援サイト上で必要事項のデータ入力と資料の添付が必要です。
また添付資料は決まったフォーマットがなく、自身で用意しなくてはいけません。
添付資料には主に以下の書類が必要です。
1 | 認定再生医療等委員会意見書 ※最初の段階では不要 |
2 | 提供する再生医療等の詳細を記した書類 |
3 | 実施責任者及び再生医療等を行う医師/歯科医師の氏名、所属、役職及び略歴(研究実績があるには、その実績)を記載した書類 |
4 | 細胞の提供者に対する説明文書及び同意文書様式 |
5 | 再生医療等を受ける者に対する説明文書及び同意文書様式 |
6 | 記載された再生医療等と同様又は類似の再生医療等に関する国内外の実施状況(研究成果等)に関する資料 |
7 | 再生医療等に用いる細胞に関する研究成果を記載した書類 |
8 | 特定細胞加工物概要書、特定細胞加工物標準書、衛生管理基準書、製造管理基準書、品質管理基準書 |
9 | 再生医療等製品を当該承認の内容に従わず用いる場合にあっては、当該再生医療等製品の添付文書等記載事項を記載した書類 |
10 | 再生医療等の内容をできる限り平易な用語を用いて記載したもの |
11 | 特定細胞加工物の製造を委託する場合にあっては、委託契約書の写しその他これに準ずるもの |
12 | 個人情報取扱実施規程 |
入力事項や資料に不備や不足があると、再審査になってしまうため、正確に作成することが求められます。
②(特定)認定再生医療等委員会による審査
第二種の場合は「特定認定再生医療等委員会」、第三種では「認定再生医療等委員会」に提供計画書の内容について審査を受けます。(特定)認定再生医療等委員会は全国に65箇所ほどあり、自由に選択可能です。
また委員会によって、審査費用や提供計画書の提出期限などが異なります。費用や審査のタイミングなどを考慮して選定しましょう。
③厚生労働省へ再生医療等提供計画の届出
再生医療等提供計画書が(特定)認定再生医療等委員会の審査で承認されると意見書が発行されます。意見書が発行されたら、再生医療提供計画書に意見書を添付して厚生労働省(管轄の地方厚生局)に提出。
提出後審査が行われ、不備などがなければ届出が完了します。その後、受理番号の発行が確認できれば再生医療の提供が可能です。受理番号の発行は、厚生局が受理してから1〜2週間ほどかかります。
再生医療導入サポートの特徴
当社では、信頼できるスタッフが豊富な経験をもとに、再生医療の導入を代行サポート。導入に向けたご相談から再生医療等提供計画書の作成、各種申請、運用に至るまで一貫して支援いたします。
再生医療関連書類の作成サポート
再生医療等提供計画書作成のための情報取集や添付資料の作成に関する助言や添削など、豊富な経験をもとにサポートいたします。プロトコル、手引き書、概要書など膨大な書類作成も私どもにお任せください。
再生医療提供計画書作成支援サイトへの入力サポート
厚生労働省の各種申請書支援サイトは、とても複雑で入力が難しいことが難点。そこで、私どもで難しい入力作業のサポート・代行をさせていただきます。
(特定)認定再生医療等委員会対策
(特定)認定再生医療等委員会によって、審査費用や審査にかかる期間が異なります。また、審査日も委員会によってまちまち。そこで最適な委員会の選定に関する助言や審査依頼をお手伝いいたします。
また、(特定)認定再生医療等委員会の審査において、書類の追加や修正などがある場合も即座に対応。スムーズに承認を得られるようサポートいたします。
再生医療導入サポートの流れ
再生医療導入サポートの流れをご紹介します。
再生医療提供開始までの流れ
再生医療提供開始までのスケジュールとサポートの流れはこちらです。
再生医療導入の スケジュール | 当社のサポート |
1.再生医療導入の検討 | 再生医療導入に向けたヒアリングをもとに アドバイスや情報共有 |
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2.再生医療期等提供計画書作成 | 導入する再生医療に応じた 提供計画書作成のアドバイス、データ入力サポート |
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3.(特定)認定再生医療等委員会の審査 | (特定)再生医療等委員会への審査依頼や審査対策 |
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4.厚生労働省への届出 | |
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5.再生医療提供開始 | 導入後も様々なお悩みに対応 |
上記のように、各フェーズに応じて必要なサポートを随時行っております。
導入後のサポート
再生医療導入後も1年に1度の定期報告書の提出が義務化されました。定期報告書も再生医療導入時と同様に(特定)再生医療等委員会の審査が必要です。
当社では、導入後も通常の業務や診察で忙しい医療機関さまの負担を軽減すべく、定期報告書の作成や提供計画に変更があった場合の手続きをサポートいたします。
まとめ
再生医療の導入には膨大な量の書類作成や事前準備など、相当な時間と労力を要します。特に、再生医療提供計画書は添付書類などを含め、総ページ数はなんと100ページを超えることも珍しくありません。
再生医療導入の準備を医療機関さまが診察と並行しながら行うのは非常に難しいことです。そこで当社では、医療機関さまの負担を減らすべく、再生医療導入支援サポートを提供しております。
再生医療は治療の選択肢を増やし、今よりも患者さまの思いに沿うことができる大きな可能性がある分野です。
当ページでは伝えきれない細かい内容など気になる点についてもお答えしますので、まずはお気軽にお問い合わせください。