血清はなぜ細胞培養で必要なのか?

血清はなぜ細胞培養で必要なのか?

当記事では、血清の基本情報・培地に添加する理由・主な血清の種類についてご紹介します。

目次

血清とは

血清(けっせい)とは、血液が凝固した後に残る液体のこと。具体的には、血液を採取した後、それを自然に凝固させるか、または遠心分離によって血球成分と分離させると、上澄みとして透明な液体が得られます。

この液体が「血清」であり、赤血球、白血球、血小板などの細胞成分を含みません。血清中には、様々なタンパク質、ホルモン、電解質、栄養素などが存在し、これらは体内の機能を調節するために重要な役割を果たしています。

培地に血清を添加する理由

動物細胞は培地だけでは増殖できないため、血清の添加が不可欠です。血清はホルモンの供給源として機能するだけでなく、培地の緩衝作用を強化し、フェノールレッドや様々なプロテアーゼから細胞を保護します。

培地に添加する主な血清の種類

使用される血清の種類は、培養する細胞の種類や目的によって異なります。ここでは、一般的に培地に添加される主な血清の種類を紹介します。

ウシ胎児血清(FBS )

最も一般的に使用される血清で、高濃度の成長因子を含み、多くの種類の細胞に適しています。ウシ胎児血清は、胎児が母親から免疫を受ける前(生後10日以上3ヶ月未満)の段階で採取されるため、免疫反応を引き起こす抗体が非常に少ないです。

新生仔ウシ血清(NCS)

生後数日(生後10日未満)の若い牛から採取される血清で、FBSよりも成長因子が少ないですが、コストが低く、一部の非常に特殊な細胞培養に使用されます。

ヒト血清

人間由来の細胞や組織の培養に使用され、特に臨床研究や治療用細胞製造において重要です。人間の血清は、免疫反応のリスクを最小限に抑えるために用いられます。

血清代替品

血清代替品は、動物由来の血清を使わずに培養環境を提供するための製品です。通常、細胞培養で使用されるのはウシ胎児血清(FBS)ですが、ロットごとの組成が異なるため、細胞培養においてさまざまな影響を及ぼす可能性があります。

一方で、血清代替品はロット間の差が少ないなど細胞培養における問題を解決しています。

まとめ

血清は細胞培養に欠かせません。もし現在どのような培地を使ったら良いか分からないとお悩みの方は、PureCellにご相談ください。目的にマッチした細胞培養用培地をご提案させていただきます。

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